歴史の散歩道(世田谷代田)だいだらぼっちの民話の里

投稿者: | 2017年12月21日

大男「だいだらぼっち」のお話はご存知でしょうか?今回は、だいだらぼっちの民話のふるさと世田谷代田を散歩します。

小田急線が便利に

小田急線世田谷代田の駅に着いて驚きました。ホームを降りて階段を登ると、さらに真新しいホームが!?駅のポスターをみると、2018年3月17日に複々線化により大幅に利便性良くなるそうです。現在最後の追い込みの仕上げ工事中のようです。真新しいホームや駅の設備、なんだか未来の空間にいるような錯覚を覚えます。

小田急線世田谷代田新ホーム

詳しくは、2018年3月17日  新ダイヤで小田急の通勤が変わる 小田急電鉄

さて、そんな未来の空間を後にして、駅近くの神社を訪ねます。

代田八幡神社

駅からすぐ、環状七号線の歩道橋を渡ると代田八幡神社があります。代田は、天正18年(1590)の豊臣秀吉の小田原攻めにより後北条氏に従属して没落した吉良氏(世田谷城主・吉良氏朝)の家臣が帰農し、切り開いた土地だそうです。

翌天正19年(1591)に世田谷八幡宮より八幡神(応神天皇)を勧請し、この地の守り神としてお祀りしたのが始まりだとされています。

きっと武士から農民となりこの地を開拓するにあたり、精神的な支柱としたのでしょうね。

代田八幡神社

社殿等は、戦後の再建(空襲による焼失から)だそうですが、環七の喧騒も感じないくらい静かで落ち着ける雰囲気のある神社でした。

三土代会 もちつき案内

神社に新年の三土代会おもちつきの案内がありました。この代田の餅つきは、天保年間(1830-43)に創り出された、六人搗、八人搗で、唄を合いの手に呼吸を合せてつくという素晴らしい技だそうです。ぜひ、見てみたいですね。

円乗院

代田八幡神社から程近くに、円乗院というお寺がありました。こちらは同じく吉良氏の旧臣たちの手によって江戸時代の初め頃に建立されたそうです。世田谷勝国寺の末寺にあたるそうで、勝国寺も世田谷城の裏鬼門の鬼門除けとして建立された吉良氏ゆかりの寺院なので、吉良氏の旧臣が以前からの信心のあった寺を自分たちの開拓地に設けたかった気持ちがわかるような気がします。そういえば、世田谷八幡宮も吉良氏ゆかりの八幡様なので、吉良氏とのつながりがとても色濃い地ということがわかります。

円乗院

円乗院の地蔵尊

だいだらぼっち

代田の西の守山(現在の守山小学校付近)のあたりの窪地のことを村人は「だいだらぼっち」と読んでいたそうです。それはこの地に雨水や湧水による沼地があり、その形が人の足跡に似ていたことから大男「だいだらぼっち」の足跡と呼ぶようになったという伝説です。代田の地名の由来はこの伝説によるという説が有力だと考えられています。

だいだらぼっちの伝説は、調べてみると日本の各地にあるようです。

ダイダラボッチ 日本の神様辞典 やおよろず

さて、武士たちが刀を鍬に代えて開発した代田の地を駆け足でご案内しました。戦に敗れても誇りを失わず新しい土地を開拓していった人々の誇りを今に伝えるまちだったと思います。ぜひ便利になる小田急線で一度途中下車してみてはいかがでしょうか?