2018年5月 日本史新発見ダイジェスト

投稿者: | 2018年6月3日

平成30年5月も各地からたくさんの新たな発見の情報が届きました。邪馬台国に関係すると考えられる遺跡で発見された桃の種を放射性炭素(C14)年代測定で調べてみると卑弥呼の時代のものであることがわかりました。邪馬台国の謎の解明に一歩近づいたと言えそうです。このような新しい技術による更なる歴史の謎の解明にも期待が高まりますね。それでは、さっそくダイジェストで新発見を振り返ります。(2018年6月3日最終更新)

弥生時代

「卑弥呼の宮殿」犬飼ってた?3世紀代の骨出土  2018年5月16日 読売新聞

邪馬台国の有力候補地、奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡で、3世紀前半頃の犬の骨1匹分が出土していたことが市教委の調査でわかり、市纒向学研究センターの紀要第6号で公表された。

出典: premium.yomiuri.co.jp

卑弥呼の時代の?桃の種 年代測定、邪馬台国論争に一石 2018年5月14日 朝日新聞

女王卑弥呼(ひみこ)がおさめた邪馬台国の有力候補地とされる奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡(国史跡、3世紀初め~4世紀初め)で出土した桃の種について、放射性炭素(C14)年代測定を実施したところ、西暦135~230年とみられることがわかった。市纒向学研究センターの最新紀要で報告された。種は遺跡の中枢部とみられる大型建物跡(3世紀前半)の近くで出土したもので、大型建物の年代が自然科学の手法で初めて測定されたことになる。卑弥呼が君臨したとされる時代の可能性が高まった

出典: www.asahi.com

古墳時代

つぼの周りに小さなつぼ 国内に例ない須恵器出土 2018年5月28日 神戸新聞

兵庫県教育委員会は28日、同県姫路市網干区高田にある古墳時代の集落跡である前田遺跡から、国内で例がない形の装飾付須恵器が出土した、と発表した。大きなつぼの周りに小さなつぼを連結して取り付けた独特の形状で、5世紀末、井戸を廃止する際の祭りに用いられたとみられるという。

出典: www.kobe-np.co.jp

飛鳥時代

「駅家」の可能性一段と 岩沼・原遺跡から墨書土器や材木塀跡発見 2018年5月1日 河北新報

宮城県岩沼市玉崎地区の原遺跡(飛鳥時代後半~平安時代前半)で、墨書土器や公的建物跡を示す柱穴、重要な建物群を守る「材木塀」跡が2次調査で見つかり、発掘成果を速報する展示会が、市民図書館ふるさと展示室で開かれている。以前の発掘調査でも指摘された古代の公的施設「玉前駅家(たまさきのうまや)」などの可能性がより高まったという。

出典: www.kahoku.co.jp

奈良時代

聖武天皇の吉野宮か 奈良時代前半の正殿跡 奈良 2018年5月16日 毎日新聞

奈良県吉野町と県立橿原考古学研究所(橿考研)は15日、同町宮滝の宮滝遺跡の発掘調査で、奈良時代(8世紀)前半とみられる大型建物跡(東西23・7メートル、南北9・6メートル)が見つかったと発表した。建物の規模や形式などから、聖武天皇(在位724~749年)が滞在した吉野宮(離宮)の正殿跡の可能性が強まった。【藤原弘】

出典: mainichi.jp

奈良時代の有力者が使用か、国内最古の「獣脚」鋳型片出土 滋賀・草津の榊差遺跡 2018年5月23日 産経新聞

滋賀県草津市野路(のじ)町の榊差(さかきざし)遺跡で、獣の脚を模して鉄製の鍋や釜に付けた鍋脚「獣脚(じゅうきゃく)」の鋳型(いがた)片が見つかり、市教育委員会が23日発表した。8世紀初頭(奈良時代)のものとみられ、獣脚の鋳型としては国内最古という。鍋や釜を鋳造した同時代の工房跡の遺構も見つかり、市教委は「付近には鋳造関連遺跡が集中しており、律令国家の建設に大きな役割を担っていたと考えられる」としている。

出典: www.sankei.com

国内最古級の鉄鋳造工房跡、滋賀 8世紀前半、鍋脚の鋳型も 2018年5月23日 福井新聞

滋賀県草津市の榊差遺跡で、8世紀前半(奈良時代)に鉄製の鍋や釜を鋳造した工房跡や獣の脚を模した鍋脚の鋳型片が見つかり、市教育委員会が23日、発表した。鉄の鋳造施設としては、川原寺跡の鉄釜鋳造遺構(7世紀後半、奈良県明日香村)に次いで国内最古級という。

出典: www.fukuishimbun.co.jp

室町時代

「尊氏再起の寺」本堂確認 礎石の規模、古図と照合 太宰府市教委 2018年5月9日 西日本新聞

福岡県太宰府市教育委員会は8日、同市三条の原遺跡で、9~14世紀の山岳寺院「原山」の本堂とみられる礎石建物跡を初めて確認したと発表した。原山は足利尊氏が室町幕府を開く前に身を寄せ、再起を図った場所といわれる。

出典: www.nishinippon.co.jp

戦国時代

金華山の中腹に建物か 巨大石垣群を発見 2018年5月10日 岐阜新聞

岐阜市は9日、岐阜城がある金華山(329メートル)の中腹で巨大な石垣群を発見した、と発表した。石垣の上には、山頂近くの天守に次ぐ建物があったと推測される。石垣は戦国時代に岐阜城を居城とした織田信長が築いたとみられ、建物は信長の嫡男・信忠の居場所と市教育委員会はみている。これまで岐阜城は、天守と山麓にあった信長の居館の2層で構成されていると考えられてきたが、中腹の建物と石垣も含めた金華山全体を城に見せた可能性があり、「信長らしい城づくりが浮き彫りになった」と専門家は語る。

出典: www.gifu-np.co.jp

安土桃山時代

熊本城石垣から「慶長四年」の瓦 築城時期の裏付けに 2018年5月8日 熊本日日新聞

熊本地震からの復旧工事が進む熊本市中央区の熊本城天守閣で、大天守の石垣から見つかった屋根瓦の一枚に、1599(慶長4)年の銘が入っていた。これまで推測されてきた、築城の時期を裏付ける遺物のひとつといえそうだ

出典: this.kiji.is

光秀の周山城、全体像判明 織豊期の特徴示す、京都市測量 2018年5月26日 京都新聞

戦国武将の明智光秀が京都市右京区京北周山町に築いたとされる大規模な山城「周山城」の跡地で、市が測量調査を行い、東西1・3キロ、南北0・7キロに及ぶ城の範囲、郭(くるわ)の位置や道といった全体像を確定した。戦国期の城に革新をもたらした織田期の城郭の遺構が山中にほぼ現存しているとみられる。専門家からは発掘調査を求める声が出ている。

出典: www.kyoto-np.co.jp

高槻城、構造に迫る発見 キリシタン大名の拡張工事跡か 2018年5月28日 朝日新聞

 大阪府高槻市の高槻城跡で、キリシタン大名の高山右近(1552~1615)が城主となる以前に築かれたとみられる堀跡がみつかった。市教育委員会が30日発表した。堀は右近が城主となった後、城の拡張のために埋め立てられたとみられる。専門家は、絵図や文献史料の乏しい戦国時代の高槻城の構造に迫る貴重な発見として注目する。

出典: www.asahi.com

江戸時代

福山城の内堀石垣見つかる 駅北口広場調査、6月パネル説明 2018年5月15日 山陽新聞

福山市がJR福山駅北口広場で行っていた福山城の遺構発掘調査で15日、内堀を構成していたとみられる石垣の一部と、石垣の裏側や隙間に詰めた「裏込め石」が見つかった。いずれも築城当時の遺構とみられ

出典: www.sanyonews.jp

江戸時代の秘薬容器出土 金沢製、御所にも献上 京都市中京区の町家跡 2018年5月24日 産経新聞

江戸時代に加賀藩・金沢で製造され、京都御所にも献上された秘薬「三(さん)味(み)薬(やく)」が入っていたとみられる容器、合(ごう)子(す)が、京都市中京区の町家跡から出土した。上流階級しか手にできない3種の薬が入っていたとみられ、巨大な地下室を伴う町家跡から出土したことから、調査にあたった民間調査会社アルケスは大商人が住んでいた可能性が高いとみている。

出典: www.sankei.com

明治時代

謎のれんが遺構発見 前橋・臨江閣別館の地中から 2018年5月15日 上毛新聞

前橋市を代表する近代和風建築、臨江閣別館(群馬県前橋市大手町)の基礎下や庭園の地中かられんがの遺構が見つかっていたことが14日、分かった。1884(明治17)年の本館建設時の記録には建物の存在はなく、同年以前に造られ、既に遺構となっていたと推定される。72年(明治5年)に建てられた県内最古級のれんが建造物、富岡製糸場に近い年代とみられるが、解明されていない部分が多い。市教委文化財保護課は年代の特定につながるような史料の収集を進める考えだ。

出典: www.jomo-news.co.jp

2018年(平成30年)日本史新発見のまとめ