徳川美術館(名古屋市)では、9月8日(土)まで夏季特別展「合戦図―もののふたちの勇姿を描く―」が開催されています。
古来、幾度の戦を経て、変革や安定を繰りかえしながら日本の歴史は紡がれてきました。これらの戦の様子は、様々な目的で中世より描かれ記録されています。本展覧会では中世合戦絵巻から戦国合戦図までを展観し、合戦図の多様性を示しながら、合戦図の果たした役割や意義を再考します。
合戦図は単なる記録画ではなく、武家の教育や自家の顕彰などの目的で描かれました。一方で、源平の合戦などは、物語化されて民衆まで広く享受されていきます。合戦図の形態も絵巻だけではなく、屏風や掛軸、画帖や冊子など様々な形で親しまれました。このような合戦図の展開の中で、戦国という大乱の時代を描いた戦国合戦図が、どのように成立し、描かれたのかにスポットを当て、中世から脈々と描き継がれた合戦図の系譜を明らかにします。
徳川美術館で幼いころに初めて鑑賞した「長篠長久手合戦図屏風」が今でもとても印象に残っています。今回の展示会では徳川美術館所蔵の同屏風はもちろんのこと、全国の美術館等が所蔵する合戦図が一堂に会する歴史好きにはたまらない企画となっています。夏休みの楽しみが増えそうですね。(2019年7月28日最終更新)
みどころ
主な展示品は以下のとおりです。
国宝 平治物語絵巻 六波羅行幸巻
重要文化財 後三年合戦絵巻
芦引絵五巻のうち巻四
一の谷・屋島・壇の浦合戦図屏風八曲一双
長篠合戦図屏風六曲一隻
長篠長久手合戦図屏風六曲一双
展示品や展示期間等(展示リスト)は、公式WEB「徳川美術館」を参照ください。
開催概要
会期 2019年7月27日(土)~9月8日(日)
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 月曜日(ただし8/12、8/13は開館)
観覧料等その他詳細は公式WEB「徳川美術館」を参照ください。