日本史は、日々の研究や発掘の成果により更新されています。それでも、いつどんな発見があったのかは、あまりに多くの発見があるために忘れてしまいがちです。ここでは、2020年の古墳時代・飛鳥時代の新発見を月ごとに記録してまいります。今年も驚くような新発見に出会えますように…。(2020年6月11日最終更新)
1月
7世紀前半の横穴式石室 古墳から「木炭床」 松山・下難波腰折遺跡 2020年1月25日 愛媛新聞
愛媛県の松山市埋蔵文化財センターは24日、同市下難波の下難波腰折(こしおれ)遺跡から6世紀中ごろ~7世紀前半の古墳4基が見つかったと発表した。このうちの1基から木炭を敷き詰めた「木炭床」と呼ばれる施設を確認した。センターによると、市内では瀬戸風峠4号墳(下伊台町)に次いで2例目で、全国的にも珍しい貴重な発見という。
古墳時代の井戸に小型銅鏡、奈良 櫟本チトセ遺跡、水の祭祀か 2020年1月28日 共同通信
奈良県天理市の櫟本チトセ遺跡で、古墳時代前期後半(4世紀後半)の井戸2基が見つかり、中から小型銅鏡、木製品、桃の種などが出土したと市教育委員会が28日発表した。古墳時代の井戸から完全な銅鏡が出土するのは、兵庫県明石市の藤江別所遺跡に次いで2例目で、水に関わる祭祀に用いられたとみられるという。
出典: this.kiji.is
2月
古墳時代のガラスや鉄の工房跡出土 滋賀・栗東 2020年2月12日 産経新聞
辻遺跡(滋賀県栗東市)から、古墳時代中期(5世紀前半ごろ)の工房とみられる建物跡が見つかったと滋賀県文化財保護協会が12日、発表した。ガラス玉を作る鋳型の破片や鍛冶炉の跡が発見されたことから、ガラスや鉄製品が製造されていたとみられる。県内でガラス玉の鋳型が出土するのは初めてといい、同協会は「貴重な事例」としている。
出典: www.sankei.com
「箸墓古墳と同時期」裏づけ 天理・ヒエ塚古墳、全長129メートルと推定 奈良 2020年2月22日 産経新聞
天理市萱生(かよう)町の前方後円墳「ヒエ塚古墳」(3世紀後半)で、墳丘を縁取るように並べられた基底石が前方部の端から見つかり、同市教育委員会は21日、墳丘は全長129メートルと推定されると発表した。墳丘本体の調査は今回が初めてで、埴輪(はにわ)が存在しないことも確認。専門家は、国内最初の巨大前方後円墳、箸墓古墳(桜井市)と並行する時代の古墳である可能性が強まったとしている。
出典: www.sankei.com
3月
ガラス製品、出自は古代イラク 福岡・沖ノ島の出土品 2020年3月1日 共同通信
福岡県宗像市の宗像大社は1日、世界文化遺産に登録されている沖ノ島から出土した国宝のガラス製品について、調査の結果、5~7世紀のメソポタミア(現在のイラク)由来と分かったと発表した。ササン朝ペルシャからシルクロードを通って運ばれ、大規模な祭祀の際にささげられたとみられる。今秋に大社で一般公開される予定。
出典: this.kiji.is
飛鳥時代の最古級鋳造遺構、滋賀 口径1メートル以上の大型鍋釜か 2020年3月11日 共同通信
滋賀県草津市の黒土遺跡で、飛鳥時代末―奈良時代前半(7世紀末~8世紀初頭)に大型の金属製鍋釜などを製造した鋳造遺構が発掘されたと同市教育委員会が11日発表した。市教委によると、同様の遺構は奈良県明日香村の川原寺跡と草津市の榊差遺跡でしか見つかっておらず、最古級という。
出典: this.kiji.is
4月
石製の硯、150例以上 – 弥生時代から文字文化浸透か/国学院大の柳田客員教授「纏向学」紀要で発表 2020年4月24日 奈良新聞
弥生時代中期中ごろから古墳時代中期までの石製品を調べた結果、硯(すずり)の可能性があるものが全国で150例以上あることが分かったと、柳田康雄国学院大学客員教授(考古学)が発表した。確認事例は西日本各地に分布し、多くが地域の拠点集落で出土していることから、「当時、交易にも文字文化が浸透していたことが推測できる」としている。
5月
古墳の主は幼い後継者? 津山の桑山3号墳で子ども人骨 2020年5月3日 山陽新聞
古墳の主は幼い後継者? 岡山県古代吉備文化財センターが昨年度調査した桑山3号墳(津山市平福)で、武器や玉類など多くの副葬品を伴う子どもの人骨が見つかったことが分かった。多量の副葬品を持つ子どもの古墳埋葬は全国的にも珍しく、“小さな被葬者”が特別な地位にあったことを示しているという。
出典: www.sanyonews.jp
6月
5世紀後半の古墳群7基 愛媛の遺跡で発見 小玉、管玉など多くの副葬品出土 2020年6月2日 毎日新聞
愛媛県今治市新谷の新谷古新谷(にやこにや)遺跡を発掘調査している県埋蔵文化財センターは、古墳時代中期後半(5世紀後半)の7基の古墳群を発見したと発表した。墓坑(ぼこう)からはガラス小玉、管玉、須恵器など多くの副葬品が出土し、古墳時代の葬送儀礼を考える上で注目される。【松倉展人】
出典: mainichi.jp
大化の改新ゆかりの広場ほぼ断定 2020年6月9日 NHK
大化の改新を行った中大兄皇子と、中臣鎌足は、神木が立つ「槻の樹の広場」と呼ばれる場所で出会ったと伝えられています。
この神木があった可能性を示す遺構が、奈良県明日香村の遺跡で初めて見つかり、村の教育委員会は、この遺跡を大化の改新ゆかりの広場の跡とほぼ断定しました。出典: www3.nhk.or.jp
新発見は随時更新してまいります。