先日、約90年前の京都を撮影した動画が公表されて話題となりました。今から90年前といえば、昭和の初期(平成30年は昭和だと93年)になります。90歳以上の方がみれば懐かしい映像なのかもしれませんし、そうでない方が見れば本当にタイムトラベルしたように当時の状況を知ることのできる貴重な機会となりました。
その動画を見る中で、さらに時代を遡ることのできる動画あることを知りました。主に東京を映した100年以上間前の映像をご紹介したいと思います。
1897年(明治30年)の東京(日本橋)
明治30年(1897)の映像が残っていることは初めて知りました。時代や場所等の真偽はわたしにはわかりませんが、東京日本橋を映した約120年前の映像です。
この年には、後藤象二郎と陸奥宗光が亡くなっていますが、幕末明治に活躍した人物の多くがご存命であった頃になります。京都帝国大学(のちの京都大学)、日本勧業銀行(のちのみずほ銀行)が創立したのもこの年です。
映像では明治3~4年に爆発的に普及し、この頃には最もスタンダードな乗り物になっている人力車が移っています。ひざ掛けをした地位のありそうな紳士が乗っています。道で行き交うのは大八車です。物資の陸上輸送にはこちらが主力であったことがわかります。
1913‐1915年(大正2年‐4年)の東京
こちらは、日本橋の動画から約20年の映像です。驚くことに100年以上前の人々の声、街の音がはっきりと音声として残っています。カメラはまだ珍しいこともあり、カメラ目線で映っている人が多くいます。歌舞伎座が映っていることから銀座のあたりや、浅草十二階と呼ばれた「浅草凌雲閣」の「十二階演芸場」も撮影されています。
風鈴売りや、鞠をつく小さな女の子、そして子守りをする小さな子たちなど、その当時の暮らしがよくわかります。わたしが印象的だったのは、「いらっしゃいませ」という声です。今のデパ地下での声とまったく変わりありません。
1913年には、最後の江戸幕府将軍徳川慶喜が亡くなっています。江戸の面影がまだ残っていたころの映像になります。
1929年(昭和4年)の京都
そしてこちらが先日話題となった約90年前の京都の映像です。女学生の美しい着物も印象的ですね。
少しずつ時代の異なる3つの映像。見比べるとまた時代の変化がわかりますね。新たな映像がまた公開されることに期待したいと思います。